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日経新聞「グローバル戦略を」

日本の生産性上昇を加速させるには、これまでみてきたIT(情報技術)活用や無形資産投資、企業の新陳代謝、労働の再分配などに加え、急速に進むグローバル化に経済をいかに対応させるか、そのための戦略がカギを握る。
1990年代以降の直接投資拡大により、今では資本や技術が国境を超え、簡単に移動する。このため、日本企業が研究開発で技術知識を蓄えても、それは日本の生産性上昇に直結しにくくなった。日本企業は新技術を中国やインドでの生産に適用するかもしれないからである。

高度な技術や知識をもつ外国人労働者の獲得も、日本の潜在成長率を高めるうえで重要な課題であろう。その競争は、欧米をはじめグローバルなレベルで激化しつつある。
今後発展著しいアジアで域内分業が進むため、日本経済の貿易依存度は急速に高まる。従来のように、産業をフルセットで抱え込むことは、効率性と競争力の点で、困難になる。そうした点も考え合わせると、日本にとってはIT生産や金融・保険などを含めて付加価値の高い産業を強化・育成していくことが、とりわけ重要となろう。

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