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日経新聞「在日ブラジル人光と影 出稼ぎから定住へ」

1908年にブラジルへの移民が始まってから100年。2世や3世の還流で外国人登録するブラジル人は約31万人を超え、日本社会との接点を徐々に増やしている。
全館が格安国際電話サービス会社ブラステルの創業者で共同社長の田辺敦冶と川合健司は日系ブラジル人2世。サンパウロ出身の2人は日本に留学した後、96年に東京で起業、約10年で年商100億円規模に育て上げた。ブラジルから来た出稼ぎ労働者向けサービスからはじめ、低料金と使いやすさで他の在日外国人や日本人留学生に顧客層を拡大、今では法人向けも手がける。
100年前、笠戸丸に乗りこんだ第一陣を皮切りに、約25万人が遠いブラジルに夢を託した。現在はそれを上回る数のブラジル人が日本に滞在する。「言葉の壁」のため多くのブラジル人は単純労働にしか従事できないが、ブラステルの2人のように起業するケースも増えている。

仕事の成功は定住化につながる。日系2世、3世に就労制限のない在留資格を与えた90年の入管管理法改正も追い風となり、10数年前には「2-3年」だった平均滞在期間は約8年に延びたという。永住資格取得者も2006年末で7万8千人を超えた。
短期滞在が主流であったブラジル人にも、韓国籍や中国籍の方の外国人と同様、在日意識が芽生えている。

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